◉山梨県笛吹市石和町〔単純泉〕
到着した夕方の5時頃には既にできあがっている近所の親父たちが2人ほどビールを呑んでいる。風呂上がりの一杯か、一杯やりに来ているのか全く区別がつかない。そのテーブルの先に目をやると引戸があり、どうやらその先が浴場のようである。店主らしい親父に少し遠慮がちに「風呂いいですか」と声をかけ、自分が風呂目当てであることをアピールして財布を取り出すと「380円にまけとくよ」の一声。本来は400円らしい。たった20円のオマケが場違いなところに来てしまっていないか不安な小生の心を安堵させてくれた。
浴場は一般的な銭湯に比べると少し小ぶりだが電気風呂と水風呂を含み浴槽は3つある。しかもサウナまで小さいながらも設置されている堂々とした設備である。泉質は石和らしいとても柔らかい質感で湯温もその泉質の特長を活かしたアツ過ぎずヌル過ぎずの適温で完璧だ。水風呂もしっかりと温泉が使われておりツメタ過ぎず完璧な仕事だ。カランから注がれる湯はほのかに香る硫黄臭が鼻をくすぐる。すべてが柔らかく包んでくれるようなこの「石和温泉」は少し疲れた小生の身体をやさしく癒してくれた。
⚫︎見事な逆さ富士に菖蒲の湯。ドアを開けるとコンクリート製の塀にこんにちは。