2016年1月23日土曜日

角煮うどん(吉田うどん) ⭐️⭐️

●うどん屋源さん 銀座店 〔山梨県甲府市中央〕


甲府界隈で数店舗の吉田うどんの店を構える「源さん」の繁華街にあるその名も銀座店。ありがちなチェーン店を想像してお店の前にホテルで借りた自転車で乗りつけ店内に入ると驚いた。決して広いとはいえない細長い店舗の客席はカウンター席のみ。その中で切り盛りしている人はたった1人の元美女。うどん屋というよりは小料理屋の女将さんといった出で立ちである。

カウンターに腰掛ける客は若い男女のカップルが3組。時間は土曜日の夜9時前で、いずれもデート帰りの一杯呑んだ後の腹ごしらえといった雰囲気だ。これは入った店を間違えたのではないかと思うほど「うどん屋」らしくない。店内の壁に無造作に貼り付けてある貼り紙にある店名「源さん」を何度も振り返りながら確認してしまった。予想外の展開に少し動揺する干支が申の年男は47歳1ヶ月。まだまだ青い。

さて何を注文しようか。その貼り紙付近の壁に無造作に吊り下げられているメニューを見てまた驚いた。なんとメニューは全て英語で書かれている。大きく深呼吸して落ち着いた素振りでそのメニューを片手に、ひとりカウンター席につく。ふとカウンターの端のほうに目をやると、そこにはもうひとつのメニューが日本語で書かれて置いてあった。

日頃、呑みつけない私が駆けつける店は食事がメイン。数店舗を展開するお店の店構えといえばいたって画一的で面白味は全くないのが常。マニュアルの言葉を投げかけてくるロボットのような若者店員が目立つ首都圏のお店に慣れている者にとって、女将さんの家庭的な対応が、ただ腹ごしらえに「うどん」を食べにきた小生にとってはとても新鮮に感じる。

さて改めてメニューを拝借。「かけうどん」が500円とメニューの下のほうに書かれている。「天ぷらうどん」はプラス80円で楽しめる。これは小生にピッタリの庶民的なお店だ。もっとも「うどん」とはそんなものである。それを見て少し落ち着いた小生は、ふとメニューのもっとも目につきやすい最上部に書かれている「角煮うどん」に目が釘付けになる。

「限定メニュー」とうたわれている「角煮うどん」は「かけうどん」の倍の値、なんと980円とかかれている。同じトッピング形式と思われる「天ぷらうどん」とは400円もの差がある。これはコシのある「吉田うどん」の上に、熟成された味の濃い脂ののった豚のバラ肉の塊の山が溢れんばかり覆いかぶさっているに違いない。

直感で即決。ここは思い切って「限定メニュー角煮うどん」を注文することに決めた。それを聞いて女将は角煮があと1食だけ残っていると言ってくれた。これは素晴らしい。女将は10分程待ってくれと言う。これは10分間で角煮をあたため更に熟成させるのか。期待は胸いっぱいに膨らみ始めた。

「はい、おまたせ!」の声がかかる。カウンターの一段上の配膳台に置かれたどんぶりをドキドキしながら覗き込むように見て驚いた。なんと「うどん」に覆いかぶさっているその姿はドッシリとした存在感抜群の角煮のブロック肉ではなく、まるで麺棒で均一に薄く伸ばされたようなペラペラの、、いや、、、ぺラ、、ぐらいの長身のスライス肉だった。

●「限定!角煮うどん」 980円


ほったらかし温泉 ⭐️⭐️⭐️⭐️

◉山梨県山梨市矢作 ほったらかし温泉(公式サイト)

今シーズン最強の寒波到来。沖縄でストーブが売り切れた週末。土曜日の午後発表の明日にかけての天気予報は天気予報の枠を越えてニュースになるほど「大雪どころか大荒れの天候」と大々的に注意を促す、いや警告に値するほどの報道ぶりであった。

幸か不幸か明日の日曜日は朝から山梨の甲府で仕事だ。明日の早朝の交通手段を考えると現地前泊をしない理由は見当たらない。タイミングよく1週間前に車のタイヤをスノータイヤに交換しチェーンも購入したばかりである。これは車で行くしかない。

生まれて初めて履くスノータイヤでワクワクとドキドキが交差する。甲府までの道のりを考えると途中寄り道しない訳がない。地図を片手にしばし考えるも、迷うことなく途中の山梨市にある「ほったらかし温泉」に立ち寄ることを決めた。

かれこれ10年近く経つだろうか。「ほったらかし」というネーミングに心打たれたものの、なかなか行く機会に恵まれなかったが、こうして大荒れの天気予報の晩に一路「ほったらかし温泉」の温もりを目指す事になった。スノータイヤとカーナビだけが頼りである。


スノータイヤの性能は如何に


中央道の勝沼ICからJR山梨市駅を経由して山を登る。未だ降雪はないが行き交う車は僅か数台。山登りの道はいつしか未舗装路となり山の奥へと入り込む。こんな辺境の地にある温泉はかなり期待できると気分は最高潮に達するも、たどり着いたのは一件の平屋の民家、、いや電灯が灯っていない。どうやらこれは空き家のようだ。

空き家の脇には工事用のバリケードが行く道を一部封鎖している。しかしその横に車が通り抜けるだけの巾は十分空いていて車が進入するには問題なさそうに見える。このままバリケード横を通り抜け直進するも道がつながっているのか、はたまた空き家の庭先に入り込みスタックするか暗闇でまったく見当がつかない。

ここで登場するのが昨年より多用しているグーグルマップである。現在地から「ほったらかし温泉」までは目と鼻の先で、どうやらルートを間違えてかなり大回りしてここまでたどり着いたようだ。このまま少し前進すればマップには道路がありその道路を進めば目的地に辿り着くようだ。

下車して歩いてみるのもよいがここは思い切ってハンドルを握ったまま直進する事にした。バリケードを横目に進んでいくと1台の建設用重機が見える。ここは工事現場なのだろうか。遠く前方にはうっすらと電灯の灯りが家屋からもれるのがはっきりと見えた。

未舗装路は直進しているうちに脇からの舗装路と合流して大きな青空駐車場に辿り着く。ホッとした瞬間だ。特に看板もないが「ほったらかし温泉」の駐車場であることは間違いなさそうだ。車が300台は止められるほどの広さの青空駐車場に車は僅か5〜6台。こんな夜に温泉の温もりを求めているのはわたしだけではなかった。


施設内をうろうろしていると屋外に見事な壁画があった


施設の中にはどうやら2つの浴場があるようだが、本日は悪天候の理由で「こっちの湯」は閉鎖されていた。未だ実際に悪天候にはなっていないが止むををえまい。もう1つの浴場は「あっちの湯」となんとも素朴なネーミングに思わず笑みがこぼれる。案の定、事前調査をしてこなかったので2つの違いはよくわからないがどちらも大差はないと考えるしかないだろう。(豊富温泉の例があるので事前調査は怠らないようにしなければならない)

施設内(といっても雨が降れば濡れる外部だが)を少し奥の方に歩いて行くと簡素なつくりの脱衣場のある家屋にたどり着く。中に入ると番頭さんが一人ポツンと寂しげに腰掛けている。全体としては山小屋のような雰囲気の作りで、最近めっきり見なくなったストーブが小屋全体をあたためてくれている。意外にも入場券は自動販売機で購入。番頭さんの仕事はそのチケットを確認するだけである。料金は800円。ロッカーを利用すると100円玉が必要だ。

浴場は小屋の屋内に湯舟が一つ。屋外は檜風呂と、甲府盆地が最前列から見渡すことができる広い岩風呂からなっている。岩風呂はかなり広く、規模は比べ物にならないが草津の西の河原露天風呂に次ぐ広さだ。適温の場所を探して岩風呂の好位置を探すのもよし。眺めのよい場所で浸かるのもよし。半身浴もできる浅いスペースもある。

情報によるとphの値が10を超えているそうだが個人的にはそこまでの高い数値には感じられなかった。感じるのは消毒臭で岩風呂より小さい檜風呂は顕著で正直その浴槽には浸かっていられないほどだ。しかし視界がひらける高台からの素晴らしい景色に加え、日の出前からの早朝営業を年中無休で継続していることには頭がさがる思いだ。ここの露天風呂でのご来光は格別であろう。大人気で常に混雑している「ほったらかし温泉」であるが、今夜は人もまばらで今年初の温泉はとてもゆったりと過ごすことができた。

追記
あとでわかったことだが「ほったらかし温泉」のカーナビのナビゲーションが間違っているそうだ。自家用車で向かう多くの人が道に迷う。そういえば途中の路上に看板があり「ほったらかし温泉、、、カーナビ、、、」と書いてあった。よく確かめもしなかった自分に落ち度があるので文句を言うつもりは毛頭ないが、このようなカーナビの間違いは何処に指摘してあげればいいのだろうか。それにしてもカーナビのアクシデントはあったものの、降雪はなく、路面も積雪が無い状態で無事に行き来できたので今年初の温泉探訪、まあよしとしよう。




2015年12月13日日曜日

ふかし芋で昇級審査



◉ふかし芋
子どもたちがベランダの掃除を手伝ってくれたご褒美に「ふかし芋」に初チャレンジ。先日、取引先の方にいただいた家庭菜園育ちのサツマイモをトントンと切る。圧力鍋がないので知恵を拝借して鍋に茶碗を伏せて水を入れその茶碗の上に皿を置いて芋を並べて火にかけて竹串でツンツンところあいを見てさあできあがり。今日は夕方から元の初めての空手の昇級審査。芋パワーで力をつけて昇級審査に臨んでもらおう。バターがないのでマーガリンでいただきます。うん!これはうまい!!


3人で協力作業
おひとつどうぞ!













◉昇級審査(白帯の無級からオレンジ帯の10級へ)
幼年部の後に行なわれた元(小学5年生)の初めての昇級審査〔審査申込になんと1万円(新しい帯代金込)とはビックリした〕がいつもの道場で行なわれた。審査は級別に段階的に行なわれ、先ず白帯からオレンジ帯への昇級を受ける道場生が一般社会人を含めグループで同時に行なわれようとしている。













道場の中心に白帯の6人がサイの目に立ち並び、正面に陣取る先生と向かい合う。それを取り囲むように他の級の昇級審査を待つ多くの道場生と我々保護者がコの字型に座り込む。いつもより少し手狭な道場は12月の寒空の中、熱気に包まれ早くも窓ガラスが曇り始めた。先生と多くのギャラリーに取り囲まれ逃げ場の無い子どもたちの緊張は極度に達している。道場中央に立つ息子、元の右手は大きく波を打って震えている。曇った窓ガラスには結露した水滴が垂れ始めていた。













型の審査
審査は2部構成で先ず型の審査が行なわれる。呼ばれた白帯の道場生がノソノソと道場中央に集まってくる。みるとこ棒立ちの白帯たちはいきなり先生に「返事がない!」と活を入れてもらう。初めて昇級審査を受ける白帯たちは息を呑む。日頃のように身体が動くだろうか。精神力が試される審査でもある。


1,移動稽古
途中、先生のアドバイスを得ながら以下の移動稽古が行なわれる。時間にして5分間の張り詰めた時間がゆっくりと過ぎて行く。こうして子どもが成長していく姿を間近で見られるのは親として幸せである。

本日のメニュー(昇級審査は毎回この型とは限らない)
(1)〔下段(げだん)払いから〕正拳中段突き(せいけんちゅうだんつき) 2回
(2)前蹴上げ(まえけあげ) 2回
(3)内回し蹴り 1回
(4)外回し蹴り 1回

2,太極 I (たいきょく いち)
基本中の基本で初級者が最初に覚える型。下段払いと正拳中段追い突きの繰り返し。しかし、単純動作ゆえに初級者と上級者の違いが一目瞭然となる型だろう。中級車、上級者には相応の型があり初めて見る型に目が釘付けになる。


組手の審査
はじめての昇級審査の組み手の審査の動画
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茶帯(1級または2級)の中高生と見られる選手たちの昇級審査は凄みがあった。まったく初級者と動きが違う。このレベルになると中途半端な志の選手はのこっていない。1人と対戦が終わるとすぐに次の相手が出てくる。終わるとまた次、そのまた次、そして計5人の相手と連続して対戦する。こちらも座って見ているだけではいられなくなる。腰を伸ばして道場の壁掛け時計をふと見ると、スタートからすでに3時間が経過していた。




2015年11月29日日曜日

初試合

◉横浜チャレンジマッチ    〔場所:岩崎学園東戸塚校 体育館〕

兄弟そろって4月に空手をスタートしてお互い初めての試合。
初級が中心の交流試合は兄はじめが通った保育園の体育館で行なわれた。


試合前々日の金曜日
空手練習日は幼児いずみの送り迎え。
夕飯は鯖の塩焼きと玉子丼にきんぴらごぼう。
その後は映画「燃えよドラゴン」で試合に向けてやる気モードに。



試合前日の土曜日
午前中は息子たちとマンション敷地内の清掃ボランティア。
午後はYMCAの体操(はじめ)とスイミング(いずみ)の付き添い。
帰り道に空手道場へ。16時から幼年部のいずみ。17時半から少年部のはじめ。
延べ2時間半、道場内で見学。
夕飯はBBQでパワーをプレゼント。
その後は息子たちのアンコールで映画「燃えよドラゴン」を再放映。
ヌンチャクシーンをピックアップして息子たちのやる気もピークに。


試合当日の日曜日
午前中は隣の上品濃公園で軽くジョギング。
早めの昼食は力がつく米がほしい。
昨晩の残りBBQの野菜を中心とした特製チャーハンで親の務めを全うした。


初試合を前に緊張するも笑顔を見せる兄はじめ


動画
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初試合を前に「絶対勝ってやる」と意気込む泉

動画
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2015年11月23日月曜日

ちびっ子健康マラソン大会

◉神奈川県平塚市   天候:曇り   気温13℃


●朝7時半に現地で受付を済ませスタンドで開会を待つ



国旗掲揚と国歌斉唱。

平塚競技場の開会式で国歌斉唱のアナウンスがあった。
振り返ると君が代を人気ソングのように楽しく大きな声で歌う子どもたちがいた。
我々が子どもの頃は君が代を楽しく歌うことなどありえなかった。

私が小学生時代を過ごしたのは昭和50年代。今回、長男はじめ(小5)が参加したこのような誰もがスポーツを楽しめる大会は皆無であり、人生を楽むことができる各種イベントが開催されるようになったのは、少なくともわたしが大学生になった平成の世になってからだ。

平成の天皇陛下も今ではすっかりご高齢となり、平成の文字が使われるのも時間の問題だ。平成10年に法律によって正式に「国歌」となった「君が代」はさまざまな場面で以前にも増して多用または強制されるようになってきた。

サッカーのワールドカップが良い例で全ての試合が国際試合なので予選でも必ず試合前にそれぞれのチームが交代で国歌斉唱を行なう。選手、競技場内の観客そしてメディアを通して祖国で応援する国民が一体となる貴重な瞬間だ。時に政治家までコメントを発表する熱の入れようで、平和な時代ゆえに言えることだがサッカーのワールドカップは第三次世界大戦さながらである。


●1999年に法律によって正式に日本の国歌となった「君が代」



SB食品と神奈川県を中心に店舗を持つスーパーマーケットのフジ、コンビニのスリーエフが主催する今回の「ちびっこ健康マラソン大会」は年一度の開催で今年は数えること第29回大会。開催地は全国規模で行われ日程をずらしながら行われている。


神奈川県大会の参加競技者は県内の小学1年生から6年生まで総勢3,000人を超える。参加人数ではなんと全国一の規模だ。陸上愛好家のもとに生まれ育っている言わば全国トップレベルのタイム、順位を意識付けられた子どもたちがレースを牽引し、完走を目標とした健康な身体づくり、精神力を鍛えることに重点をおく集団が後に続くレース展開が予想される。


競技場内のアナウンスが国旗掲揚と国歌斉唱を行うことを告げると、わたしは内心、そこまでやらなくてもいいだろうと少し大げさにも感じたが、すぐにこれが日本人としての自尊心を高めるひとつの方法であることに気がついた。わたしの体内にある時代時計が勢いよく、くるくる時計回りに回り始め、時代遅れな46歳は今現在の2015年11月の時間に追いつき、近未来の時代感覚を創り出す。うむむ。。。これは大賛成だ。


場所は冷たい風が冬の到来を告げる11月下旬の湘南ベルマーレが本拠地としている平塚総合公園内の平塚競技場。おそらくJリーグの試合前にもこのようなセレモニーが行われているのか知らないが、時代はゆっくりと移っていることを痛感した瞬間だ。


●国旗が掲げられた Shonan BMW スタジアム で聖火も点灯



競技は小学1年生から6年生まで順番に学年別に行われる。先ず男子がスタートして数分後に女子がスタートする仕組みだ。競技場内のトラックを1周して競技場を出て公園内の舗装路を走り競技場に戻り再びトラックを1周走りきりゴールを迎える。小1・2年は1,500m。小3・4年は2,000m。小5・6年は3,000mを走る。2,000m以上のコースにはなんと驚くことに給水ポイントまであるフルマラソン顔負けの大会だ。これも時代か。。。


子どもたちの中には同じサッカーチームに所属していると見られるグループの参加者が目に付く。そのグループの父兄は一団をなし観覧席に陣取り大きな声援を送る。同色のカラフルなユニホームをまとった子どもたちはかなり目立つが、この大会のルールのひとつにSB食品のマーク付の支給されたゼッケンを指定のホワイトカラーのTシャツの上に着用しなければならないため、同じような背丈の子どもたちの大集団から「どの子が我が子か」遠く離れた観覧席から見きわめるのは至難の業である。これでは何処にビデオカメラを向ければよいかまったく見当がつかない。


そこで感心した事にグループで参加した競技者(子ども)たちは皆、指定のホワイトカラーのTシャツの半袖の下からカラフルな原色の長袖が顔を出す。さらに足元のハイソックスも艶やかで、これで遠く離れた観覧席からでも子どもたちの見分けがつく。これはいいアイデアだ。そのチームを応援する父兄観覧者一団は競技場に戻ってくる同色の長袖、ハイソックスを見つける度に一斉に大きな歓声をあげる。その歓声に奮い立たされたように、これから走る我が子の応援にも徐々に熱が入ってきた。



●SB食品といえば瀬古利彦。後方は旭化成の双子ランナー宗兄弟のどっちだ。。



場内を仕切るアナウンスは声の通るウグイス嬢とSB食品陸上部の半袖短パンの青年の歯切れのよい競技説明が心地よい。SB食品といえば「ゴールデンカレー」と「瀬古利彦」である。子ども時分、宗兄弟との見事なレースはしっかりと記憶に残っている。スタンド内ではフジ・スパーとスリーエフの社員と思われる人によるバナナ等の移動販売をはじめコンコースでの暖かい飲み物や軽食、ひざ掛けまで販売されている充実振りに弁当、水筒持参の者はすっかり驚かされた。


●競技場内に入るゲート集合場所はすでに競技者で溢れていた

「小学校の運動会と規模が違う。周りは見知らぬ相手。緊張するそうだ。」


学5年生男子の部の参加競技者はアナウンスによると300人超えている。スタート時の転倒事故だけは気をつけるように告げて競技場内に息子はじめを送り出す。正直、わたしも少しドキドキしてきた。冬の到来を告げる肌寒い勤労感謝の日。午後からの雨天予報も気になる父親三昧の一日だ。


昨年、湘南国際マラソンのファミリーラン親子の部(子どもは小学4年生までが参加条件)の申込日時にインターネット申し込みを試みたが、混雑でネットがまったくつながらず参加できなかった悔しい思いを乗り越えて参加した今回の3,000m走。勿論、私は走ることができなかったが、是非近い将来に10kマラソンレベルの走りに参加したくなるほどの今回の子どもたちのパフォーマンスに感謝の一日だ。



●来年も絶対参加するとやる気十分の息子はじめの記録



朝4時半に起床。朝食と昼食の弁当をつくり5時半に子どもたちを起こして6時半に出発。7時半に平塚に到着して駐車場探しに奮闘。駐車場は専用臨時駐車場が受付開始時の7時半には既にどこも満車。一目散に公園内の駐車場に車を止める。あと15分遅かったら公園内の駐車場に駐車するのも困難であっただろう。


開会の9時までに少し時間をもてあそぶも、競技が始まればあっという間に5年生の時間がやってきた。スタンドの観覧席最前列に陣取るも、トラックを走る集団の中から自分の子どもが見分けられない。是非来年は目に付きやすい工夫が必要だ。来年に小学1年生になる次男いずみと小学6年生になる長男はじめのW参加が楽しみだ。




●おみやげにSB食品のゴールデンカレー中辛をいただいた 



●競技後のスタンド内で兄がつくったトンネルを走り抜ける末娘まこと





2015年11月8日日曜日

はまぎんこども宇宙科学館

◉横浜市磯子区

雨の日曜日。横浜洋光台にある宇宙科学館に行ってみる。午前11時過ぎ、専用の駐車場は満車で数台が入口付近に並んでいるところにわたしたちの車が後につく。順番に係員からチラシを渡され次々にその場を立ち去るワンボックスのファミリーカー。そのチラシには近隣の民間コインパーキングの場所が記されている。

子どもと過ごす休日も時間との闘いだ。係員の案内に号令がかかったように子連れのキャプテンである父親は一目散にコインパーキングへと車を走らせる。駐車場が満車で空くのを待っているのんびり屋さんは今の時代には極めて少数派だ。腕時計を見ると今の時間は午前11時過ぎ。宇宙科学館開場の午前9時半からまだ1時間半しか経過していない。この時間に駐車場に戻ってくる家族はいないと考えるのが妥当だろう。

しかし、わたしは駐車場が空くのを待つことに決めた。小学5年生の元からは大クレーム。それに続き泉、真琴からも非難が容赦なくキャプテンのわたしに向けられる。わたしはそんなことはお構いなしに車の窓を開けて駐車場に止まっている車の台数を数える。駐車台数は約50台。50分の0はあり得ない。少なくとも30分も待てば1組の家族が必ずここに戻ってくる。ここを訪れている人たちのほとんどが若者夫婦とその子連れ。最も時間に追われている現代人だ。

10分ほど経過すると係員が窓越しにやってきて何かわたしに告げに来た。その背後に駐車場に止めてあるワンボックスカーに乗り込む父親と思われる男性の姿。係員の言葉を聞く前に、車中は潮目が変わったように子どもたちからは歓喜の声がかかる。

よく子どもたちは我慢ができないという。特に現代の都市で育つ子どもは待つことができない。我慢しないでも他に選択肢が用意されている便利な現代社会。子どもに我慢させない親にその責任がある。子どもたちの前で我慢しない親を見て成長していく子どもたちは我慢を知らない。知らない、やったことがないことはできない。当たり前の話である。



●6才児の食いしん坊には全く量が足らない“はまぎんのお子様カレー”



●兄貴のカレーと量の違いでヘソを曲げる弟いずみ 今日は“我慢”の日だ








2015年9月22日火曜日

幼児の白馬三山縦走

◉白馬大池〜小蓮華山〜白馬岳〜杓子岳〜白馬鑓ヶ岳〜鑓温泉 〔12時間〕

6才の幼児が2足で歩行できないほど急勾配な山頂へのアリ地獄。はいつくばって必死に登っては滑り落ちる息子いずみ。それを見るに見かねた兄貴はじめに背中を押されて半べそをかきながらの登頂への戦いはこの場で1時間ほど費やしたろうか。


●杓子岳山頂を望む泉君の背後に緑と雪渓、遠方には毛勝三山


「白馬鑓ヶ岳」だと思い込んで登頂した山頂を示すポールには見た事も聞いた事もない文字「杓子岳(しゃくしだけ)」と刻まれていた。山岳初心者(白馬三山は山小屋で登山者から教えてもらった)。まさか道を間違えたか。時はすでに山時間では夕刻の14時を過ぎていた。「白馬鑓ヶ岳」から宿としている山小屋「鑓温泉小屋」まで2時間半。幼児連れなので3時間を見込むと14時+3時間=17時の日暮れ前には山小屋に到着する予定だった。


本日の行程は「大池山荘」を発ち「小蓮華山(これんげさん)」「三国境」。昼食は「白馬山荘」にて。そして「白馬鑓ヶ岳」を経て宿としている山小屋「鑓温泉小屋」まで。標準行程8時間に昼食と余裕を見込んで10時間。遅くても朝7時に出発して日暮れ前の17時に宿に到着予定。天候に左右される事は周知の上で、最悪は「白馬山荘」に難を逃れるつもりだ。


「杓子岳」山頂で持参の山岳地図に目を配る。すると「杓子岳」だけが蛍光ペンでマークされていなかった。毎年のことだが建築士の設計製図試験の講師として問題文の重要ポイントには生徒に向かって口酸っぱく『マークしろよ!』『マーク忘れが命取り』と、つい10日ほど前まで口にしていた事がここにきて自分に降りかかってくるとは思いもよらなかった。


『建築士の試験は精神力も必要』『あせりは禁物』そんな講師として生徒に向ける言葉を今日は自分自身に言い聞かせる。「杓子岳」から稜線(りょうせん:連なる山の山頂から次の山頂に至る道)を歩き出した時、まだ幼児である息子いずみを今回連れ出した自分を少し疑い始める。疑心暗鬼で向かう稜線では初めて足がすくんだ。もう後戻りはできない。



●杓子岳山頂からの稜線を挟んで右は巻道へ落ちるザレの急斜面、
 左は間違いなく死に至る絶壁、後方には白馬鑓ヶ岳がそびえる
 霧が出てきたら間違いなく巻道へのがれるしかない危険な場所




⚫︎杓子岳を下るとすぐに壮大な白馬鑓ヶ岳が目前に控える
 今まで全く問題なかった元君は杓子岳山頂すぐの断崖絶壁
 後だけに、この稜線ルートを見ると少しだけおじけづきはじめた


共倒れは予期せぬ出来事だ。予定外の杓子岳での1時間ほどのタイムロスに加えて、疲労感が恐怖感に変わった小学5年生はじめ(10才)は白馬鑓ヶ岳の壮大な稜線ルートを目前に悲鳴をあげた。年長いずみ(6才)のもしものときはバックパックをはじめに背負わせ、体重20kほどのいずみを背負って山道を進む覚悟はできていたが、はじめまで倒れるともうお手上げだ。白馬鑓ヶ岳を前にアセリが抑えられないと同時に子どもたちが無事に宿「鑓温泉小屋」まで辿り着けるか本当に不安になってきた。


●白馬鑓ヶ岳の岩登り後のダミー頂上は道巾も狭く足がすくむ
 雨天時は視界も悪く本当に危険が伴なう場所の一つだろう
 もはや後戻りができない道を一歩ずつ確実に前に進むしかない


白馬鑓ヶ岳山頂では登山者は我々だけ。3人そろっての記念撮影はできない。自動タイマーを利用した撮影を行なう心理的な余裕は全くなかった。時間は既に15時を大きくまわっていて大半の登山者は今晩過ごす山小屋やテント場に到着しているころだ。子連れの父親ならなおさら到着、いや到着していなくても到着の目処はつけていなければならない時間帯だ。

行き交う登山者は殆ど見当たらない。唯一同じ方向に向かっている登山者は我々前方に1組。急ぎ白馬鑓ヶ岳の急勾配のザレ(砂利道)を下山して行く。登頂時にルートを間違えないように遠目で後を追っていたヘルメットを装着した年配の2人組は我々をどんどん突き放して進んで行く。さらに追い討ちをかけるようにこの時間帯では珍しい反対方向から来た単独の年配登山者は、わたしが「鑓温泉小屋」まで『今日』行くことを告げるとかなり驚いた様子で『あの下りを?』と子どもたちに目を向ける。そこは数々の修羅場を経験した長澤。『そう』とあっさり笑顔で答えてその場を後にする。

正直、心中は穏やかではなくなってきた。白馬鑓ヶ岳下山中、前方の視界が広がると遥か向こうに立ち止まって我々の先を行く年配登山者2人組に何やら声を掛けている監視人らしき山男が年配登山者に何処まで行くのか尋ねている。はっきりとは聞き取れないがどうやら我々と同じ「鑓温泉小屋」に向かっているらしい。これは心強い反面、年配登山者2人組が我々には目も向けず小走りに突き進んでいく彼らの行動を見ていると、彼らが必死に日暮れ前に目的地に辿り着こうとしている事が容易に手に取るように分かった。

その後、何処からともなく現れた単独の女性登山者がその監視人らしき山男と話をしている。どうやら力尽きて歩けないようでヘルプを求めているように見える。なんということだ。しかし山男はあっさりと何か指示をしてすぐさまその場を後にして、我々のほうに向かってザレ場を登ってきた。間違いなく声を掛けられるかと思ったがその気配がないのですれ違いざまこちらから声を掛ける。『鑓温泉小屋までどのくらいかかるか?』山男は子どもたちに目を向け『3時間は軽くかかる』とわたしに告げるとすぐに『ヘッドライトはあるか?』『鑓温泉小屋までの下りの岩場は危険で鎖がある。子どもたちにはくれぐれも気をつけるように』とだけ告げて鑓ヶ岳山頂に向かって去っていった。山岳初心者であるわたしは「鑓温泉小屋」に向かう下山ルートが危険だと知ったのはその時であった。

視界にはいつの間にか登山者がまったくいなくなった。遠く鑓ヶ岳山頂では先ほどの山男が360度見渡して登山者がいないか監視をしているようだ。先ほどの単独女性登山者は鑓温泉分岐点を少し通り過ぎて天狗山荘側にいったところで携帯電話で何やら話をしている。『お願いします』とだけはっきりと聞える。どうやらヘルプを頼み込んでいる様子である。彼女は我々が近くにいることは気が付いているとは思うが、近くの登山者より遠くの救助隊を頼りにしているようで、こちらから声をかけるのは躊躇した。分岐点には『天狗山荘まで30分』とあり、天狗山荘とそのテント場はこの分岐点からテントの数がはっきりと数えられるほど見て取れる距離にある。もはや30分も歩けないのだろうか。

後ろ髪を引かれるようにその分岐点から「鑓温泉小屋」への下山ルートに足を向ける。女性登山者はまだ携帯電話を放さない。先を行く年配登山者はまったく見えなくなってしまった。わたしはヘッドライトを取り出し帽子の上から装備して日暮れに備える。「鑓温泉小屋」から「天狗山荘」への宿の変更は頭に無かった。子どもたちも急がないと日が暮れてしまうことは分かっている。コンパクトカメラの充電が切れた。「鑓温泉小屋」まで辿り着くことだけに集中しよう。日暮れに加えヘッドライトが機能しない霧でも現れたら全く動きがとれなくなる。


●すぐそこに山荘があることを告げるサインは鑓温泉分岐点にある 


白馬岳(2,932m)・杓子岳(2,812m)・白馬鑓ヶ岳(2,903m)は白馬連峰のなかでも白馬三山と呼ばれる長野県と富山県にまたがる北アルプスの最も代表的な山である。この三山の稜線を歩くことは白馬三山縦走としてガイドブックには欠かせないメインルートで1日あれば十分に縦走可能である。

帰宅後に情報収集して分かった事だが白馬三山縦走の拠点となる山小屋は白馬山荘である。我々はその白馬山荘を昼食をいただくだけの通過点としていた。登山1日のルートとしては長すぎたのか。やはり幼児には困難な山、北アルプスなのか。いやそんなことはない。一日目の栂池山荘から天狗原そして大池山荘までのルートは標準時間どおりに進むことができていた。今日、朝6時半に大池山荘を発ち小蓮華山、三国境を経て白馬岳登頂までのルートはほぼ標準時間どおりに進んでいた。


●何度もダミーの頂上を越えてようやくたどり着いた白馬岳山頂


登山中、わたしは歩行ペースが遅いとはまったく感じなかった。にもかかわらずなぜ遅れをとったのだろうか。子どもたちが遅かったわけではない。帰宅後に自宅で持参していた山岳地図をよく見て驚いた。標準時間の計算は杓子岳の巻道(トラバース道と言うそうだ)が計算基準となっていて杓子岳登頂に費やしたあの6才児が2足歩行不可能だった急勾配のザレ場は含まれていなかったのである。つまりわたしのルート標準時間計算、つまり地図の読み方が間違っていたのだ。

タイムロスに気がついた杓子岳山頂からペース維持の為、はじめてわたしが先頭を歩き子どもたちを牽引。15時45分に鑓温泉分岐点を通過する。「鑓温泉小屋」まで山男によると3時間。到着は日暮れ後の18時45分。19時をまわるかもしれない。同じく山男が警告していた岩場しだいか。幸い天候には恵まれていて視界は全く問題がない。危険な岩場に日暮れ前に着くかが勝負だ。

46才、6才、10才の順で急斜面のザレを急ぎ下る。意識的に子どもたちから先頭のわたしが見えるか見えないほどの間隔をキープして、子どもたちを牽引する。休憩タイムの有無がこの先の明暗を分ける瀬戸際であり、気が気ではない。牽引方法は下りては立ち止まり、下りては立ち止まり、そして子どもたちの姿が見えるのを待つ。大人と幼児のスピードは歴然としている。帽子のツバ越しに見え隠れする子どもたちの瞳に疲労と不安を感じ取る事ができる。

そんな賢明な子どもたちの姿を見ているうちに、まるで熱が冷めたように先ほどまでのアセリがまったくなくなっている自分に気がついた。むしろ子どもたちの姿を微笑ましく思い、いま子どもたちと一つの同じ目標をもって山を下りている自分がとても幸せである事に気がついた。子どもたちが成長している姿をLIVEでしかも最前列から独り占めしているのである。ふと気がつくと、ほのかに硫黄臭が鼻を突く。鑓温泉は確実に近づいている。

1時間ほど山を下ると鎖が打ってある岩場に辿り着く。幸い17時前で少しうっすら暗くなり始めているが視界は良好だ。確かに鎖なしでは歩行は不可能で、誤って鎖から手を離したり、足元を滑らせた瞬間に鎖をつかんでいなかったりすると間違いなく墜落する。大きな怪我は免れない危険な場所だ。

一歩一歩、身体を岩の背にしがみつくように鎖をつかみ、蟹歩き。一歩一歩、足を掛ける場所を指示しながら、『鎖を離しちゃだめだ』『両手で鎖を持て』と、すぐ後を付いてくる幼児いずみから目が離せない。いつ足を滑らせて転落するかもしれない。その瞬間に自分の左手でいずみの腕を掴み取るイメージをトレーニングする。さらにその後ろからくる兄貴、はじめにも注意が必要だ。

渓谷を下り続け、あたりが暗くなり始めた18時ごろ、道行く先に見える川に大きな雪渓が目に入る。その雪渓を目前に道は川沿いに左に折れている。ふと川下に目をやると黄色い建物の屋根が見えた。「鑓温泉小屋」だ。子どもたちからは歓喜の声。IPADにはまだ電池が残っている。ゆっくり腰をおろしてバックパックからIPADを取り出し、その光景にシャッターを切る。


●安堵感が一気に広がったこの光景はしっかり脳裏に焼きついている


「鑓温泉小屋」では友人たちと落ち合う予定で、小屋付近まで下りていくと友人の一人が小屋からこちらに向かって歩いてくる。我々の到着を待ちわびていてくれたようだ。宿の方、一部の登山者にも友人は我々の到着が遅れている事を告げていて、我々を心配して登山道を登るつもりでいてくれたようだ。

夕飯は茶碗飯4杯をペロリ。そして待望の山小屋にある温泉「白馬鑓温泉」を堪能する。その友人がいつの間にシャッターを切ったのか。3人そろって温泉につかる写真をアップしておく。

●念願の「鑓温泉」は良質な泉質で夜でもふんだんな湯の花が目に付く




 ●全長12km 高低差1,000m 積算標高差 上り1,300m 下り1,700m