2015年8月18日火曜日

豊富温泉とサロベツ原野


豊富温泉  ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
◉北海道天塩郡豊富町〔ナトリウム-塩化物泉・炭酸水素塩泉〕

クッチャロ湖から道北を横断する県道を豊富町に向かってドライブ。オホーツク海に別れを告げて比較的平坦な山道はすれ違う車が僅か数台、車無し、信号無し、人影無し。動物注意の交通標識は多かったが、蝦夷鹿は現れなかった。途中二件あった牧場の牛たちが妙に心に残る。大自然の中に置かれた人は他に見るものもなく人間は動物と同じ生き物なんだと当たり前のことを思う。

朝9時前には目的地の豊富温泉に到着する。湯場は二箇所あると告げられ早速見に行くと廊下を挟んで入り口は異なる。つまり二箇所の浴場を楽しむには一度脱いだ衣服を着、また脱いで二つ目の浴場に入るといった手間のかかる行程が必要になる。温泉場の人によるとぬる湯と普通湯の違いだけだでぬる湯は湯治向け、一般客は普通湯を強く勧められた。おまけにこの時間のぬる湯は湯治客に占領されていると聞く。案の定、覗いてみると常連さんと思われる湯治客10人位が丸く円弧を描き湯に浸かりながら談笑している。それに水を差すように脱衣場の戸を引き中を覗き込む小生。20以上の視線が一気に集まる。気まずい雰囲気だ。鶴の恩返しとはいかないが、まるで見てはいけないものを見てしまったようでぬる湯に入るのはあきらめパスしてしまう。

一般客向けの湯場は先客が2人。湯の色は薄めの褐色でその湯の表面に油がプヨプヨ浮いている状態だ。石油臭には慣れてはいるが、ここまで油分が湯に混ざっているのは初体験で笑みがこぼれる。湯に潜り存分に北海道の素晴らしい温泉を楽しむ。至福のひとときだ。子どもに急かされ湯場を離れるも、やはり気になる湯治湯のぬる湯。帰りがけに再度覗くも、湯治客に占領されている状態は変わっていない。まあ湯の温度の違いだけならいたしかたあるまい。自分にそう言い聞かせ温泉場を後にする。

この温泉場は温泉マニアのサイトで知り駆けつけたわけだが、コメントを読んでしまうと湯の楽しみが半減されてしまうため、大半の内容は実際に湯を楽しんだ後に読むことにしている。今回も温泉場名、場所とオススメ度の星マークしか確認しなかった。

帰京して温泉マニアのサイトを読んで驚いた。湯治客用の湯と一般客用の湯は全く異なる湯で、しかもそのコメントを読んだら最後、湯治客用の湯は特筆する湯で絶対に入りたくなるようなことが書かれているではないか。。。。うううっ。。やられた。

今考えると温泉場の人から見ればわたしは子ども連れのごく普通の流れの典型的な一般客で、とても泉質にこだわってこの温泉に来ているようには見えなかったであろう。普通湯を勧めた温泉場の人を責めるつもりはないが、道北まで来て目の前にある温泉を一つ逃した自分に腹が立つ今。再訪して湯治湯に入ることを夢見る。


⚫︎天然石が磨かれている状態を見るかぎり温泉の濃度は聞くまでもない


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