2015年2月1日日曜日

遊亀温泉⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

◉山梨県甲府市 〔単純泉〕

一路「遊亀温泉」へ!
湯村温泉郷から地図を頼りに約30分の自転車こぎ。
街路灯もまばらな住宅街の奥に建つ遊亀温泉の遊亀はどうやら地名らしい。

自転車に鍵をかけ早速、戸をくぐり脱衣場に入ると「いいにおいだ」。湯が正真正銘の温泉であることは疑う余地も無い。湯は茶褐色で鉄錆臭+石油臭+硫黄臭の仲良しトリオ。水栓金具や浴室のいたるところが温泉エネルギーによって茶色に染まっている。これは上等品の証だ。もう気分は最高潮である。

浴室では延べ10人位の年配の方が湯を楽しんでいる。浴槽に目をやると湯出口にはカップが置かれている。これは正式な飲料可のサイン。堂々とコップに温泉を注ぎ軽く一口含んだ。温泉では飲料可のサインがなくても口に含んで味見は欠かさないが、カップが置かれている分、さらにもう一口軽く飲み込んだ。確かにうまい。高貴なお茶っ葉があったらこんな味だろうか。これは身体によさそうだ。ペットボトル持参の旦那も目につくので是非再訪時には水筒持参で来なければならないだろう。

桶の音だけが響く浴室の雰囲気が一変したのは刺青の男たちが入ってきてからだった。30代の若者が60代のボスの背中を流す。湯舟の中では自然に会話が弾む。一般社会人の奥歯に物が挟まったような物の言い方に慣れている現代人には歯に衣着せぬ物言いがとても新鮮で楽しく聞こえる。反社会的な集団と指を刺される人たちは、じつはとても人間的であることは間違いない。

子どもの頃に銭湯に行けば必ずいた刺青の男。昨今は「入れ墨お断り」の紙が堂々と貼られているスーパー銭湯ではまったくお目にかからなくなってしまったし、首都圏の銭湯でももはや珍しい存在だ。湯上りの脱衣場では出入口の引戸の調子が悪いのを見つけるとすぐさま引戸を吊り上げ、レールにしっかりとはめ直していた。こんな芸ができる日本人はもはや彼らと建築職人ぐらいだろう。


⚫︎日が暮れると辺りは真っ暗。看板の灯りを頼りにやっと辿り着いた。

明くる朝、甲府のビジネスホテルのシングルルームの3点ユニット(風呂・洗面・トイレ)で用を足す前に便座に腰掛けると突然、鉄錆臭+石油臭+硫黄臭のとてもよい香りが鼻をつく。ビジネスホテルには温泉は無いのにどうして。。。

あたりまえのことだが昨晩、カップにふた口。口から入ったもが体内を巡り、その濃度を保持したまま出るべきところから出てきたのである。このガスはなんとも忘れることができない素晴らしい香りで二度おいしい遊亀温泉あった。



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