2015年2月6日金曜日

さよならブルートレイン

子供時分からこの時期のニュースを見るたびに一度行ってみたかった札幌雪祭り。ようやくめぐってきた人生折り返し後のこの機会。最愛の子どもたちの一人、5才の次男坊と廃止間近にせまった上野19:03発のブルートレイン「北斗星」に乗り一路「札幌」へ。



北海道新幹線開業に向けた青函トンネルの工事が必要とやらで3月14日を最後に運行を取り止める。そんな時期にこの車両に乗車している人達にビジネスの人は勿論、純粋な旅行者は数少ない。一眼レフのカメラ持参率は少なくても50%以上で、平日の出発もあってわたしには無縁のサラリーマン定年退職後の60歳前後の世代の方々が案外多く乗車されていた。

全11輌車を見渡したかったわたしは出発1時間後位で座席指定のある進行方向後ろの2号車のB寝台車から前方の客車へ向かう。ちょうどその中間あたりにロビー車と呼ばれるソファーがあるフリースペース車両があり、車窓から見える通過する駅ホームに立ち並ぶ帰宅電車を待つ人々に少しの優越感を感じながら自己満足している人々でごった返していた。その合間を縫って歩いて次の車両、食堂車へたどり着く。少しためらいながらもその食堂車と書かれた入口の引戸をゆっくりと少しあけて覗き込む。やはり食堂車は満席で照明が少しだけ暗い気がした。少し改まった雰囲気でデーブルライトにワイングラスをかたむけてディナータイムを満喫している人々とその対応に追われているウエイターでその食堂車は他の者の侵入を拒んでいるような気がした。客車前方に行くにはその空間を通過し、また数分後に戻ってきて再びそのテーブル脇を通過することで、その勇気はいまのわたしにはなく、素直に前方の客車への移動は諦めた。そして再び人混みのロビーカーを縫って帰るその途中、少し興奮した様子で首から大きな一眼レフカメラをつり下げた60歳位の男性に気をとられる。その男性は同じような境遇の人達に向かって大きな声で語っている。あれではロイヤル(前方の車両にあるグレードの高い個室がある車両だろう)に行けやしない。まったく理解できないとの趣旨の事を語っている。いい大人がまるで子どものように我を忘れ夢中になっている。一般常識の無いオタクジジイ我慢しろよと思う気持ちは僅かばかりで、どうしてどうしてまだまだ本気になれる物しっかりと持っているその心に大きく揺さぶられた。彼等から見てまだまだ若いわたしがこんな物分かりの良い人ではいけない。そんな気持ちにさせてくてた所謂撮り鉄の人生の先輩方であった。
⚫︎午前4時の青森駅で機関車交換作業に車内から曇りガラス越しにその機関車のトレードマークを写真におさめる人々でごった返す1号車の最前列
曇りガラス越しに見えるうっすら赤く見える部分が機関車で青く見える部分がそのトレードマーク

気がつけばその列に並んでいるわたしがいた

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