2015年2月11日水曜日

茅沼温泉 憩いの家⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

◉北海道川上郡標茶町茅沼〔ナトリウム−塩化物泉〕

釧網本線の茅沼駅は現在は無人駅だが歴代の駅長が丹頂鶴に餌付けしたことで丹頂鶴がくる駅として有名らしい。塘路駅から午後2時半の1両編成の列車に乗り込み整理券を引き抜く。整理券には番号と乗車駅が記されている。ワンマンカーの列車は乗務員が一人で運転はもちろん、ドアの開閉と乗客の運賃支払い前の両替にも対応する。
⚫︎茅沼駅の無人駅舎。駅舎の向こうにプラットホームそして単線の釧網本線の線路がある。さらに線路の向こうには見渡すかぎりの広大な釧路湿原が広がる。


茅沼駅で下車する人は誰もいない。僅か20分くらい前に釧路行きの臨時列車のSLが大きな汽笛と白と黒色の煙りをモクモクとはき出している。丹頂鶴が何処かへ一掃されてしまったか。話半分としても鶴がいることを少しは期待していたので、あたりをキョロキョロ見渡したが残念ながら鶴の姿は見えない。見えるのはあたり一面の雪景色と閑散期の冬のためか、営業していない木造りの家のレストランと郵便ポストがあるだけだ。集配時間を確認すると集配は1日1回。ポストマンは50ccの単車か軽自動車か、そういえば北海道にきて軽自動車をあまり見かけていない気がするな。そんなことを考えていたら凍結している路面でおもわず滑って転んでしまった。転び方が見事なウルトラEの中年オッサン風でとても悲しい。

気を取り直して線路と湖に挟まれた雪道をゆっくりと5才の次男坊と手をつなぎながら歩くこと30分。鉄筋コンクリート造の憩いの家は二階建ての素朴な施設だ。送迎マイクロバス2台と釧路ナンバーの地元の乗用車が10数台、広い駐車場に陣取っている。人っ子一人いない道を歩いてきたので人の気配と強固な建物は心強い。建物へのアプローチは車道だけで歩いてくる人のことは考慮されていないか雪で目に入らないかどちらかだろう。ゆったりとした曲がり角を曲がってようやく入口が見えたその瞬間、まさに自分の目を疑った。なんと丹頂鶴が4羽、仲良くふつうに歩いているのだ。温泉宿の目前で見かけるとは相当人馴れしているのか。すかさずカメラを取り出し写真とビデオにおさめる。長く細い脚に白いボディのスタイル抜群の丹頂鶴が銀世界を背景にゆったりと羽根を大きく広げて飛び跳ねる姿は抜群だ。おそるおそる近づくと少しづつ逃げていく。入浴前に体温は急上昇。文句なし大満足である。

⚫︎湿原の境界線までやってきた仲良しの丹頂鶴ファミリーが目の前を横切る。


さて肝心の温泉である。脱衣場はほのかな硫黄臭で期待が高まる。内風呂は打たせ湯と岩風呂を含めて4カ所。すぐさま突き当たりの露天へめざし、その扉を開けると期待通りに景色は見事な銀世界。白樺の木と凍りつくシラルトロ湖をのぞむ露天風呂は感無量。泉質は柔らかな塩味で無色。肌にヒリヒリ感は無い。湧き出し47℃の源泉かけ流しの浴槽での温度は42℃前後で見事に適温。それに加えて入湯料450円でのこのパフォーマンスとは北海道の温泉おそるべし。

⚫︎白樺の木と凍りつくシラルトロ湖をのぞみながら源泉が波波と放流される露天風呂

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