2015年2月9日月曜日

十勝川温泉 富士ホテル⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

●北海道河東郡音更町十勝川温泉〔単純温泉 弱アルカリ性 PH値:7.89〕


十勝川温泉の宿はどこでも日帰り入浴客を受け入れてくれる。選択肢が多いとそれを選別するのは大変な作業だが温泉好きにはまた楽しみのひとつでもある。数ある中から専用源泉を保有している湯元かけ流しの宿といった素朴な振る舞いの「富士ホテル」を選択。JR帯広駅より十勝バスで約30分。観光客の大半は大きなホテルで下車したが、残る1人の軽装な中年男性は、わたし同様「富士ホテル」で下車。すぐさまホテルの受付で日帰り入浴チケットを購入している。これは期待ができそうだ。植物性のモール温泉を初体験といった理由もあり、まるで久々に出逢う美女に胸がドキドキ高揚しているようだ。
⚫︎今回の旅の主役は5才の次男坊。良質な温泉地を通過している旅だが此処帯広でひと息だ。

少しだけ緊張した趣でゆっくりと脱衣場にはいる。上等品を捕まえたような感触は何もないが浴室に入ると硫黄と鉄錆の混合臭がほんのりと鼻をくすぐる。まったく上品な印象だ。湯は薄い茶褐色で弾力性があるヌルヌルというよりもスベスベといった具合の微弾性。植物性のモール温泉と言われなければ判別は難しい。

先に浴室に入った中年男性は狙い通りの温泉マニアだ。浴室に持ち込んだメモ帳にボールペンで丹念にメモ書きしている。明らかにわたしよりも年上だが、まわりを意識している様子で少し恥じらいがあるようだ。浴室は1つの浴槽でこじんまりとまとまっていてサウナと小さな水風呂が付属する。午後2時という時間帯もあって湯客は5人程度。浴槽に誰もつかっていないタイミングでその中年男性は透明の防水ケースから取り出した小型カメラで浴槽に流れ入る源泉にシャッターを切った。

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